@fujisan

<center></center> 邪悪には 正義感もて立ち向かふ 失ふもの無き 人生なれば

<center></center> 薄つぺらな 正義感持ち挑みたる 我が闘争は 孤立無援禍

<center></center> 決然と 正義に立てよとふ師の言葉 理不尽の世に 如何に挑まむ

<center></center> 信州人の 特質ならむこだはりて 己の定めし 正義に生きる

<center></center> 春を呼ぶ 花は黄の色多かりき 蝋梅菜の花 連翹の花

<center></center> 方言は 生きた証と学者言ふ 遥か昔に 捨てた「さうづら」

<center></center> 親の農 継がざりしかば魂を 捨てたる如き 自責の念ひす

<center></center> 貧しさの 故に農業継がざりき 棄郷の念ひ 我を苛む

 田舎教師の 通ひし道の榛の木は 今も残りて 北風に鳴る

<center></center> 山蒼く 水清らけき四国かな 香川師育ちし 多度津町あり

<center></center> 香川師の 生まれ四国の風を恋ひ なると大橋 バスで越えたり

<center></center> 師の歌碑の 森を荒らしし罰ゆゑか 蚊と雑草に 行く手阻まる

<center></center> 小乗経 ならば成仏出来ぬなり 我が血を吸ひ取る 藪蚊潰しぬ

<center></center> 我が血をば 蚊などに吸はせてなるものか 思はず犯す 不殺生戒

<center></center> 生き茂る 雑草かき分け師の歌碑を 探せば我に 藪蚊群がる

<center></center> 第七の 歌碑建つ宇原文学の 森守り人無きか 雑木が覆ふ

<center></center> 淡路島 洲本に建つとふ師の歌碑を 探して訪へるに 雑木に覆はる

<center></center> 曼珠沙華 地獄の炎か極楽の 仏の供花か 赤く燃え咲く

<center></center> 赤赤と 彼岸花咲くふる里の 丘の傾りに 父母は眠れる

<center></center> 彼岸花 不吉な花と思ひたり 土葬の墓に 群れて咲きをり