Hello, I`m @Sho-T .
明けましておめでとうございます。 新年早々ですが、今日は「価値タイズ」について書きます。 「価値タイズ」は、私が創った造語です。
<マネタイズから価値タイズへ>
個人:「お金が欲しい」「金持ちになりたい」 企業:「時価総額●兆円をめざします」「どのようにマネタイズするか?」
このように、人々は日々、お金を求めています。 お金があれば、様々なことができるからです。
しかし、本当に欲しいのはお金なのでしょうか? いいえ、本当はお金があればできるはずの「様々なこと(価値)」を求めているはずです。 では、その「様々なこと(価値)」とは何なのでしょうか?
理想的には、直接「様々なこと(価値)」を求めたいのが本音なはずです。 自分がやりたいことをやるために、なぜ、やりたくないことでお金を稼がなければいけないのでしょうか?
マネタイズではなく、「価値タイズ」の世界は作れないのか? そんなことを考えたくなります。
マネタイズ:利益主義。お金でやり取り。お金を求める。現在のニーズが優先。 価値タイズ:意義や価値主義。価値が循環。意味を求める。現在だけでなく未来のニーズも許容。
クリエイティブな方ならわかると思います。 「そんな世界があったら最高だ」と。
実は、そんな世界は徐々に始まってきていると思っています。 例えば、ネット上で「こんなことをやろう!」と提案すれば、 クラウドファンディングで資金が集まったり、コミュニティが作れたりします。 価値先行でリソースが集まってきます。 そしてリソースをお互いにシェアリングして、理想的なことに挑戦できたりもします。
昨日のクロスコミュニティの話も、 そのような理想的な世界を作るための、新しい人のネットワークの形をめざしています。
クロスコミュニティの次元を高めていく(共創できるコミュニティへ) Cross-Community is the concept that can co-create communities.
<価値タイズは夢物語か?>
しかし、まだまだ夢物語な部分もあります。 なぜなら、まだまだマネタイズの世界。 子供なら親に「そんなバカなことは辞めて"良い会社"に就職しなさい!」と言われそうです(笑)
もしも価値タイズのような世界が本当に作れるとしたら、 それは、世の中の根本的な仕組みそのものが変わらないと難しいでしょう。
そして辿り着くのがブロックチェーン、トークンエコノミーの世界です。
ホラクラシーでなお、人々が素直に生きられる。 好きなことで社会や未来に貢献できる。 そんな理想郷を求める人々が流れ着いてきます。
信用の主体や管理者を必要とせず、独自のロジックで動く経済圏を作れる。 なんて理想的な響きなんでしょうか。
実例を見ると、にわかに夢物語でもないような気がしてきます。
例えばこのSTEEMであれば、記事やコンテンツにVote(いいね)をすることによって、 報酬プールから価値(トークン)が分配される。 これはつまり、「気持ちで価値を動かしている」とも言えるのではないか?と。
コンテンツが先にあって、後から価値がついてくる。 そんなことも可能になってきているということです。
もちろん、細かく見ていくと完璧な理想とは限りません。
しかし(概念上)特定の管理者がおらず、プラットフォームに必要以上の手数料を取られません。 価値は投資家やプラットフォーマーではなく、ネットワークの参加者に分配される基本設計です。 これは生産者と消費者の区別を次第になくしていき、 参加者の自発的な貢献で経済圏が拡大していきます。 そのようなコンセプトのユースケースが出てきているのです。
<壮大な次世代のテーマ>
「どのようにして価値が循環する経済を設計をするか?」 「どのようにして人々の価値が引き出せる社会が作れるか?」 これらが、次世代のテーマの中心となると思います。
それは「価値タイズ(価値化)の設計」と言えます。 マネタイズではなく、価値タイズがテーマとなると思います。
価値タイズを考えるとき、あまりにテーマが壮大で、 何から手をつけて良いのかわからなくなります。
経済の話なのか、テクノロジーの話なのか、人間の話なのか、 教育の話なのか、心理の話なのか、哲学の話なのか、etc
おそらく、そのすべてがこのテーマの対象となりえます。 そのくらい、あらゆることに関係する壮大なテーマです。
<1. 価値タイズを考える(価値の芽吹きと育み)>
まず、様々な価値を発見し、育める環境(コミュニティ)が必要です。 こちらの記事であるように、トップダウンのインストール型でなく、 ホラクラシーのアップデート型で、価値が発掘されることが重要です。
人には様々な特徴があり、本当はそれぞれに価値があります。 記憶力の良い人、計算力がある人、想像力がある人、 環境に縛られない人、相手のことを思いやれる人、ファッションセンスのある人、etc
現在の教育や社会が、それらの多様な価値をどこまで測れているでしょうか? 現在の社会が評価する指標に合致する人だけが礼賛され、 それ以外の人よりもその人たちが偉いとされる。 (ex. 金をたくさん持っている人、地位がある人など)
あまりにも限定的なゲームルールの中でしか価値が認識されない。 もしかしたら多くの人の価値が蔑ろにされていないだろうか?と。
このような中、新しい価値を引き出せる環境としてコミュニティの役割が期待されます。
<2. 価値タイズを考える(価値が流動する社会)>
そして、コミュニティによって引き出された個人の価値は、 クロスコミュニティによって、重要な部分を外部へ提供できる価値として コミュニティ外へも広く伝搬させることができます。
なお、コミュニティはとてもローカル(特化)なものであり、偏重が許容される場です。 芸術や真のプロダクトに言えることですが、 究極に追求された偏重は本質に到達し、ある時、強烈な外部性を持ちます。 このようなことは「トランスローカル」(ローカル/個性的でありつつも世界とつながる)というようです。 クロスコミュニティは、コミュニティ内の偏重の追求をトランスローカルさせるために重要です。
気を付けなければいけないのは、 コミュニティは閉じることによってクリエイティビティを失うケースがあるということです。 閉じることはクリエイティビティにも通じますが、 一方で過信や慢心・視野の狭窄によって、逆に作用することも大いにあります。
そのようなデメリットの補完としても、 クロスコミュニティによる流動性(良いトランスローカルによる価値循環)は大切な要素です。
<3. 価値タイズを考える(価値タイズの経済設計 )>
そして、経済設計に関してです。 価値が発掘されても、経済が作れないと、サステナブルに続けることは難しくなります。 そのことは、以下の記事の後半部分を読んでいただけるとわかります。
アートとトークンエコノミー(新しい経済)を接続できないか? Can we connect art and token economy (new economy)?
そのため、経済圏を作ることを考えます。
これはトークン設計の話であったり、経済に参加するプレイヤーの話であったり、 ゲーミフィケーション2.0的な話(経済設計を含むゲーミフィケーション)であったり、 要はエコシステム(循環する生態系)をどのように作るかという話です。
トークン設計であれば、どのような条件でトークンを定義するか、 またどのような条件でトークンが移動・分配されるか、 それによって経済に参加するプレイヤーがどのようなアクティビティを誘発され、 結果として経済が循環するかなどを設計するという話です。
流動性や安定性など、様々な点を考慮する必要があり、とても難しいです。 雰囲気は以下の記事などでも少しわかると思います。
プロダクトのファン経済を創出するGaudiyについて取材しました(概要・トークンモデル・UI体験など)
ちなみに、トークン設計が実際にうまくワークしているというユースケースはまだ多くはありません。 そもそもまだプロトコルレベルの技術を議論したりしている段階のためです。
STEEMはユースケースベースでは現状で最もわかりやすく、 イメージを得るには良いと思います。
ここで詳しく触れるのは避けますが、 例えばトークンが分配されるロジックが決まっていて、 それぞれがアクティビティを起こすと自動的にトークンが流動し、エコシステムが廻ります。
それによって、価値を起こす「トレンドメーカー」が生まれ、 それを発見し広げる「キュレーター」が生まれ、 さらにそれをプロジェクト化を支援する「プロジェクトインキュベーター」が生まれ、 そしてそれを支える「スポンサー」が生まれ、 やがてはエコシステムの内外を結びつけて共創する役割(仕事化)を創り上げる「コラボレーター」が生まれ始めました。
プレイヤー(登場人物)が共創関係となり相互作用し、エコシステムが生まれています。
このように、互いに共創し合う関係性を 特定の管理者なしに実現していく設計(価値タイズ設計)を考えます。
このように、マネタイズではなく、価値タイズをめざす方向性について 私は洞察を深めつつ、実際にコミュニティやプロジェクトと共創して模索していけたらと考えています。
2019年もよろしくお願いいたします!
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